出典:EPGの番組情報
理想的本箱 君だけのブックガイド「将来が見えない時に読む本」[字]
「将来が見えない時に読む本」。手に取った仕事を自分の理想に近づけていったシェフの自叙伝、ままならない日常を前に進めようと明るく強い言葉で励ます詩集などを選書。
番組内容
悩み多き10代の漠然とした不安や悩み、好奇心に答える一冊を、世界の数え切れない本の中から見つけるプライベート・ライブラリー。今回の選書テーマは「将来が見えない時に読む本」。1冊目は「あたしはあたし」として生きる潔さを語る人生の極意の書。2冊目は「手に取った仕事を自分の理想に近づけていった」シェフの自叙伝。3冊目は、ままならない日常を1mmでも前に進めようと明るく快活で強い言葉で励ます詩集。
出演者
【出演】吉岡里帆,太田緑ロランス,幅允孝,斉須政雄,優希美青,【解説】根岸季衣,【語り】大鷹明良,【声】相沢舞,高島雅羅ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 文学・文芸
趣味/教育 – 中学生・高校生
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
テキストマイニング結果
ワードクラウド
キーワード出現数ベスト20
- 自分
- 料理
- 本当
- 茨木
- 一冊
- 言葉
- 仕事
- 紹介
- 人生
- 結婚
- 詩人
- 時期
- 一生
- 出会
- タンメン
- 映像
- 最後
- 女性
- 将来
- 野菜
解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)
♬~
<人生で最も悩み多き季節を生きる
君たちへ。
「今 君たちが切実に知りたいことは
何だろう?」と
頼まれもしないのに考えている
心優しき人たちがいる。
本当に知りたいこと
人生を変えるヒント…。
それが隠されている一冊に出会うのは
なかなかに難しい。
だが 君たちの悩みに答える本を
オーダーメードで選んでくれる人間が
いたら どうだろう?
「まさに理想的」とは言えないか?
人と本の幸福な出会いを仲介する彼らが
今日も 君の人生を変えるかもしれない
一冊を選ぶ>
プライベート・ライブラリー
理想本箱へ ようこそ。
主宰の吉岡里帆です。
司書を務めます 太田 緑 ロランスです。
選書を担当します
ブックディレクターの幅 允孝です。
悩み多き若者たちに
出会ってほしい一冊を
プレゼンテーションする
この「理想本箱」。
皆さんから寄せられた悩みに
オーダーメードで 答えてくれる
3冊をセレクトして紹介します。
でも 手に取って読むかどうかは
あなた方次第。
ということで 各地の図書館に
掲示させて頂いたQRコードから
アンケートを実施しました。
今抱えている悩み 不安 疑問など
番組に さまざまな声が寄せられています。
で 皆さんとの相談の上 選書テーマは…
…に決まりました。
大きなテーマですね。
若い時に限らず 人生で もしかしたら
何度もぶつかってしまう
テーマかもしれないですよね。
では ここで投稿の一つをご紹介します。
高校3年の受験生っていうと
本当に こういう時期って
明確に将来を決めていかなきゃ
いけないのかなって
やっぱり自然と思う時期なのかなと
思うんですけど。 確かに
大学の受験する学部を選ぶにしても
将来これをやりたいから
ここに行かなくてはとか
そういうふうに考えていくと
もう 今決めなきゃ
何で見つからないんだろうとか
結構 焦る時期ではありますよね。
働くことに
すごいリアリティーが増してくる時期
というか。
そんな今回も いくつか
悩みながらなんですけれど
考えてみました。 最初にですね
ご紹介する本は 「女の一生」という。
あっ 「女の一生」。
著者は 詩人の伊藤比呂美さん
という方が書いた 少女から年齢を重ねた
女性までの人生相談にですね
ひととおり
人生の苦楽を経験した
一人の女として答えていく
という そういう一冊ですね。
「“誰が選んでくれたのでもない
自分で選んだ道ですもの”という
杉村春子さんの台詞で有名なのは
森本 薫の戯曲『女の一生』。
“人生は 皆が思うほど良いものでも
悪いものでもない”で知られるのは
モーパッサンの『女の一生』」。
伊藤比呂美さんという女性の
人生を歩んできた信念みたいなものが
ギュッと詰まっているんですけれども
それをひと言で言うなら…
そこに何か結実しているようで。
「あたしはあたし」の潔さって すごいいい
キャッチコピーだなと思うんですけど。
自分自身も 女として生きてきて
自分らしくいたいんだけれど
ちょっと遠慮がちになったり
今 ここで自分っていうものを
出しちゃいけないんだと思う時とかも
すごくあるので ちょっと興味があります。
じゃあ ここで伊藤比呂美さんの
「女の一生」の映像の帯をご覧下さい。
A子。 12歳の小学校6年生です。
最近 お母さんが
ダサいTシャツとか買ってきて困ります。
そもそも思春期までは親に言われるままの
格好をしている時期です。
それを「ダサい」と思うようになった
ということは
いよいよ思春期に突入のようです。
ゾクゾクしますね。
最近 親に対して
昔みたいに素直になれません。
はいはい そうでなくちゃいけません。
制服ばかり着てて
お洒落の仕方がわかりません。
お洒落というのはTPOと言いますけど
それ以前に目的というものがあるはず。
この世代での目的は
“自分を見つける”ことです。
親の好む格好はしない。
嫌がる格好をする。 身近な反抗です。
考えたことなかったから わからない。
どうやったら身につきますか?
毎朝起きたとき
「今日は何食べたいかなあ」と考える。
そして その日は必ずそれを食べる。
それを繰り返していくうちに
自分の意思について考えることになり
“あたしはあたし”が
できるようになるのです。
初めて本気で人を好きになりました。
どうなるか不安で。
恋愛には まず“あたしはあたし”
というのが すごく大切です。
できるようになったら
次は“あなたはあなた”を努力する。
これができれば 相手のことを尊重しつつ
受け入れられる。
それができていながら 熱に浮かれて
“あたしはあなた”と勘違いするのが
恋愛です。
冷静でいられないのが恋愛です。
結婚を考えてます。
結婚は はっきり言って苦労だらけです。
他人と暮らす。 鼻突き合わせて
お金も 家族も 食事も 運命も共にする。
ぶつからないわけがありません。
その上 家の中の仕事は
まだまだ女性の方に
重たく重苦しくのしかかってきます。
子供でもできてごらんなさい。
それでも結婚したい人は後をたたない。
そもそも結婚とは何か?
“あたしはあなた”と勘違いするのが
恋愛と言いました。
結婚とは 勘違いした相手の何もかもを
引き受けようという覚悟ができた状態
理想的に言えば こうなります。
あくまでも理想です。
そのうちに歳を重ねる 経験を積む
人前で堂々と立つ事を恐れない
埋没しない
自分らしいオシャレのできる女になる。
その時 生活が安定しているともっといい。
どんな生き方を選んだとしても
自分らしく生きられる様になっている。
……ということを若い女たちが
考えてくれるといいと思います。
はい。 この映像を見ていると 自分が
まだ小学生とか中学生ぐらいの時に
漠然と何でって思ってた「?」に対して
すごく単刀直入に
スパッと答えを提示して下さるのが 何か
自分が共感できるかどうかは さておき
一瞬 頭がスッキリする感覚があるなと
まずは思いましたね。
分からないことは分からないって
おっしゃるので
それも気持ちがいいんですよね。
女性に限らず
男性も同じかもしれないんですけれど
ちょっと先のこと 進学だったりとか
じゃあ 就職だったりとか
何かそういう すぐ近くのことって
何となくは ふわふわっとイメージ
できるかもしれないんですけれど
今回この本で
伊藤さんが広げてくれる地図は
もっとダ~ッと大きく長いもので
それこそ
人間が若くて美しくいれる時期って
そんなに残念ながら長くない。
そのあと 結婚したあとに
仕事はどうする 家庭はどうなる
ひょっとしたら離婚するかもしれないし。
本当に この本の中だと道ならぬ恋とか
セックスレスとか 老いとか
LGBTQに関するジェンダーの話とか
あと介護とかね。
そういう かなり向こう側 今は まだ
想像がつかないかもしれないけれど
その向こう側にある 人が生きていく上で
抱えるであろう問題を
詩人という職業柄 とにかく
言葉を丁寧に選び すくい上げて
しかも びっくりするぐらい正直に
赤裸々に。 そうなんです。
恐らく言いたくないようなことも
もう全く包み隠さず
100% ワッと見せてくれる感じがして
だからこそ その一つ一つの言葉に
説得力があるといいますか。
読んでいて励まされるような気持ちにも
なると思います。
2冊目は 「十皿の料理」という一冊です。
これは あるシェフが書いた
自叙伝のような一冊なんですけれども。
はあ~ なるほど。
自分から好きな仕事に近づくではなく
自分が出会った仕事を
どう自分の理想に近づけるか。
仕事って やっぱり最初って
ままならないもので でも そこに
どうやって自分の哲学だったり
やり方みたいなものを滑り込ませていく。
何か 仕事と自分をどう近づけていって
幸せな そして
誠実な仕事のやり方みたいなのを
実現させたのかっていうことが
書いてある本ですね。
その自分なりの哲学を作られた
斉須シェフについて
少し ここでご紹介したいと思います。
1950年 福島県生まれ。
86年に 東京の三田に
ご自分のレストランを開業以来 35年間
71歳の今も現役で
厨房に立ち続けていらっしゃいます。
1973年に渡仏しているんですね。
で 8年間
フランス各地の名店で修業をして
厨房2人 サービス2人という
小さな店から
僅か2年で2つ星に昇格させた
ということは
フランス料理界の伝説と
なっているそうなんです。
すごい。
実は これ 料理人になりたい人だけが
読む本ではないと 私は思っていて。
実際 中身は何かといいますと
先ほど紹介頂いた斉須シェフが
自身の血となり肉となっている
十皿のスペシャリテと言うのかな?
今でも お店で提供し続けている料理。
それを どんな来歴で自分が学んでいって
自分の修業時代の経験だったりとか
哲学みたいなのがギュッと凝縮している
その十皿が出来上がった過程というのを
教えてくれるんですけど。
しかも おいしい。 おいしい本なんですよ。
おいしい本。
すごくいい始まり方ですよね。
そうですね。
何か 自分の料理の個性は何かといったら
最小限で抑えることが
自分の料理の個性だというんです。
作業も時間も
本当に必要以上にやることはない。
実は そんな料理が
どこに集約しているかというと
この料理の中の2皿目なんですけれど
「季節の野菜のエチュベ」という料理に
それが実は集約してるんじゃないのかな
というふうに思うんです。
ロランスさん エチュベって?
エチュベは 日本語で言ったら
蒸し煮のような お料理ですね。
食べてみたいですね~。
まあ まずは。
まずは… はい。
まずは 映像の帯でご覧下さい。
<僕は この料理を作るとき
いつも将来を夢見ながら
集団就職列車に乗っている
たくさんの若い人と
フランスで頼りない思いをしていた頃の
自分とを思い重ねてしまいます。
ぴょこぴょこ頭を揃えた
そこらへんにある何でもない野菜が
作り手の力量次第で上等な料理にもなれば
つまらない料理にもなる>
<受け入れる社会が
どういうふうに扱うかで
野菜の運命は そこで決まるんです。
作り手次第なんです。
金の卵にするか ふみにじるか。
材料は それ相応の旨みを大切にすべきで
持ち味以上の旨さを持たせることは
材料に対して失礼 下品なことだと
僕は思っています。
一見ありふれたもののようではあるが
いったん口にすると
その鋭さに圧倒される。
本当にいいものは 何でもないように
普通の顔をしていて無駄がない。
こんなのが 僕の理想型です。
そして こんなありふれた料理にこそ
五感を研ぎ澄ましてのぞまなければ
本当にありふれた料理になりかねません>
はい 斉須シェフのご厚意で
こんな山の中まで
デリバリーして頂きました。 ボナペティ。
わあ~ いただきます。
(幅 吉岡)いただきます。
本当 見た目が すごくきれいですね。
食欲をそそりますね この色使いが。
本当に まさか食べられるとは
思ってなかった。 本当ですよね。
ん!
うん おいしい。
おいしい。
滋養って感じがね。
はい。 う~ん。
何か「あたり前の顔をしてすごい」っていう
言葉ありましたけど
本当にパッとお皿にあるのは
当たり前のようにのってるのに
食べると グッとすごみを感じる。
とにかくいろんなもの 素材だけじゃなく
人だったり 環境だったり
ひょっとしたら苦労も含めて感謝してる。
何か そこから こういう
何ですかね ものが出てくるのかなと。
舌も心も満足したところで
3冊目の紹介お願いします。
はい。 次は
茨木のり子さんの詩集を持ってきました。
茨木のり子さんは 日本の戦後の女性史を
けん引した人と言っても
いいのではないかな
というふうに思います。
思うようにいかない ままならない
そういう日常を
1ミリでも前に進めようとする
そのためのすごく励まし。
しかも それを
明るくて快活で しなやかで
しかも強い言葉で僕らに届けてくれる
詩人だと思いますね。
ここで じゃあ プロフィールを
ご紹介させて頂きますと
茨木のり子さん
1926年 大阪生まれの詩人です。
エッセイスト 童話作家 脚本家としても
活躍された方で
レシピ集を出されているほど
料理上手としても知られています。
2006年 79歳の時に ご自宅で
誰にもみとられずに くも膜下出血で
お亡くなりになったんですけれども
その2日後に 親戚の方が発見した時に
既に遺書が用意されていたというのは
有名なエピソードなんですね。
茨木さんは すごく詩の特徴として
モノローグよりも
ダイアローグを大事にする
詩人だったんですね。
つまり 詩っていうと
一人で 何かボソボソと
つぶやくように書くのが詩と
思われるかもしれないんですけど
あくまでも目の前の誰かに向かって放つ
言葉として詩を書いてらっしゃった。
だから すごく彼女の詩というのは
目の前だけじゃなくて
ページの向こうの誰かに
届けやすいというか
そういうような力があったんじゃ
ないのかなというふうに思っています。
すごい いい締めの言葉ですけども。
そうですね。
すごく強い言葉が続いてきて
最後にクスッと笑えるというか。
シャキッとしなさいと
背中をたたかれているような
気持ちになるんですけど
最後は何かこうね 優しく
そっと後ろから抱き締めてくれるような
何か そんなような感じがある詩を
たくさん書いているのではないのかなと。
まあ その中でも実は
「自分の感受性くらい」という
またこれも
読むと必ず背筋がピッと伸びる
詩があるんですけれど。
では 茨木のり子詩集より
幅さんのオススメの この詩を
映像の帯にしてみました。
(受信音)
だからさ 甲子園で活躍したからって
プロですぐ… いらっしゃい。
すぐプロで活躍できるってわけじゃ
ないのよ~。
そこがね みんなね わかってないんだよ。
何にします?
タンメン。 ラーメンね。
タンメン!
(受信音)
(受信音)
美伽。
なんね?
あんたの好きな柿ば送ったよ。
明日の午前中着くけん。
うん…。
まともなもん食べとるね?
昼ご飯 なんば食うた?
タンメン。
ラーメン?
タンメン。
野菜がいっぱい乗ったやつ。
うん。
大丈夫。
平気。
うん。
お母さんは?
はい。 背筋が伸びますね。
うん。
ピンと伸びる感覚があったんですけど
紹介して頂いた この2つの詩
どちらも 本当に読者をグッと強く
背中をたたくような そういう強さと
あと ご自身のことを鼓舞されてるような
そういう感覚もあったんですけど
ほかに どんな詩があるのかなと
気になりました。
まさにそうで 自分を鼓舞するところが
あったんじゃないかと。
というのも
実は 茨木さんが亡くなったあとに
Yの箱という 30年以上前に亡くなった
夫のイニシャルが記された箱が出てきて
そこにも実は 彼女が未発表の詩を
たくさん入れていたんですけれど
実は その箱の中に入っていたのは
全部 亡き夫に対する
恋慕の詩だったんです。
あれだけ強く 人に
生きろ生きろ
ばかものよと言っていた彼女が
もう 早く あなたの隣で眠りたい。
つまり 死んでも構わないような
そういうようなことも言っていた。
だから それは後で本になるかどうかも
すごく迷ったんだけれど
最後 「歳月」という作品になって
この本の中でも一番最後の何べんかは
「歳月」からの詩なんですけれど。
ものすごく弱い茨木のり子と
すごく強い茨木のり子が
最後は そこで融合して
それで何か 一人の詩人としての魅力が
より見えてきたんじゃないかなと
個人的には思いますね。
ありがとうございました。
いえいえ。
では この3冊を
「将来が見えないときに読む本」として
理想本箱に収蔵します。 皆さんは
どの本を読んでみたいと思いましたか?
あなたにとって運命の一冊になったらと
願っております。
番組では 「こんな時に読む本は
ありませんか?」という
お悩みやご質問に これからもできるだけ
お答えしていきたいと思っています。
それでは あなたと本の
よい出会いがありますように。
♬~
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