100分de名著 日蓮の手紙(3)「女性たちの心に寄り添う」[解][字]…の番組内容解析まとめ

出典:EPGの番組情報

100分de名著 日蓮の手紙(3)「女性たちの心に寄り添う」[解][字]

日蓮は、当時弱い立場にあった女性たち一人ひとりに深く寄り添っていく。夫や子供を失って悲しみにくれる女性には、我がことのように受け止めて温かい言葉をしたためる。

番組内容
日蓮は女性たちの置かれた立場を考えぬき手紙を送る。不浄のものとして差別され自己卑下しがちな女性たちに対しては、法華経に説かれる「女人成仏」の原理を丁寧に説明して、女性こそ最も救われるべき存在だと力づける。日蓮の手紙には、弱い立場、差別される立場の人たちに徹底的に寄り添う温かい言葉にあふれているのだ。第三回は、日蓮が女性たちの心に寄り添った手紙を通して弱い立場の人々に寄り添うことの大切さを考える。
出演者
【講師】仏教思想研究家…植木雅俊,【司会】伊集院光,安部みちこ,【朗読】山内圭哉,【語り】目黒泉

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 文学・文芸
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
趣味/教育 – 生涯教育・資格

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男女平等が
いまだに問題となっている現代。

遡ること 800年以上前。

鎌倉時代に 男性優位の封建社会が誕生。

仏教の教えの中にも 女性を差別する
考え方が定着していきました。

そんな中
「法華経」の教えを広めた日蓮は

女性信者を多く受け入れ

差別に苦しむ女性たちを
手紙で励まします。

残された多くの手紙を読み解き

女性に寄り添った日蓮の思いに迫ります。

♬~
(テーマ音楽)

♬~

「100分de名著」 司会の安部みちこです。
伊集院 光です。

今月は 「日蓮の手紙」をご紹介しています。

伊集院さん 前回 いかがでしたか?

日蓮っていう人は 何かもう頑固で

言わなきゃいいのに
余計なことを偉い人に言って

ひどい目 遭っちゃう人っていう
イメージなんですけど。 ありましたね。

ちょっと そのイメージよりも
ずっとずっと…

いろんな一面が見えてきましたよね。
はい。

指南役 ご紹介します。

仏教思想研究家で作家の
植木雅俊さんです。

植木さん よろしくお願いしま~す。
よろしくお願いいたします。

仏教はですね 近年まで 女性差別の宗教だ
という人が多かったんですけども…

男女平等を 極めて平等思想をですね
説いていたということが

明らかになります。

ところが お釈迦さんが亡くなって
100年もしないくらいに

徐々にですね…

その「法華経」は 原点に返れというんで

女性の平等ということを説いていきます。

日蓮は
その「法華経」に注目するわけですね。

女性の味方として
発言をしていきますけれども

この手紙の内容に表れてますんで

その手紙を通して
見ていければいいかと思ってます。

今の世の中でも
随分 こう 良くはなってきたものの

女性差別なんていうものは
なくなってはいないですね。

そう考えると…

やっぱり 日蓮
すごいとこまでいってるんですね。 はい。

さあ それでは
手紙を読んでいきましょう。

まずは 心に傷を負った
ある女性に宛てた手紙から見ていきます。

こんばんは 日蓮です。

いつの時代も
大変な思いをしている女性は絶えません。

今も昔も
あまり変わらないのではないでしょうか。

「日蓮の手紙」は
およそ340通 残されています。

その中の4分の1は
女性に送られています。

鎌倉時代のエリート官僚で
熱心な 日蓮の信奉者だった…

その妻 富木尼に送った手紙があります。

富木尼は 子連れで富木常忍と再婚。

その上 病気がちで
床に伏せることも多かったため

自分を卑下しがちでした。

しかも 気丈な 90歳を越えた姑がいたので
富木尼は気後れして

自分が 夫の足を引っ張っているのではと
気に病んでいたようです。

そんなある日 姑が亡くなり
葬儀が行われました。

富木常忍は
自分の母の遺骨を納めるために

日蓮のもとを訪ねます。

その帰り際 日蓮は
富木尼を励ますための手紙を

常忍に託しました。

富木常忍の妻に宛てた お手紙でした。

一見 その 夫を生かすも殺すも
妻の力しだいですよという

解釈をされる方が
いらっしゃったんですね。

それはね 逆なんです この場合は。

矢は見えます。 その勢いを見れば
その弓が強いのか弱いのかは分かる。

見えないけれども分かる。

雨の勢いを見ればですね
龍が大きいのか小さいのかは分かると。

それと同じように…

…というようなことを
書いてきてるわけですね。

じゃないですね はい。

はい 違いますね。

矢に対して弓とか 雲に対して龍って

別に 決して
劣ったものじゃないじゃないですか。

だって その使い捨ての矢の方に対して

弓って
高級なものだったりするじゃないですか。

そうすると
あ こんだけの矢が飛んでくるのは

恐らく 相当 いい弓が
自分の見えないとこに いるぞっていう。

…ということをね
言ってんだと思いますね。
はい。

そして 後半もですね…。
はい。

日本男性 まあ 妻に対して

感謝の言葉を言うことが
あんまり ないもんですから…

恐らく エリート官僚ですから
プライドも高いでしょうし

奥さんに向かって
「ありがとう」というようなことを

言う人ではなかったということをね
日蓮は分かったうえで

あなたに向かって 感謝の言葉を言うこと
ないかもしれませんけれども

私のところに来てね ほんとにね 妻には
ありがたいと思ってますということを

言ってましたよということを
わざと書いてるんですよ。

え~と 子どもから電話相談が来る番組
担当してるんですけど

ちょっと ケース違いますけど

自分の大好きな お姉ちゃんは
すごい お友達も いっぱいいて

何もかも できるのに

何で 同じお父さん お母さんから生まれて
自分は何にもできないし

あんな魅力的な人じゃないんですか?
という。

どうやって
その彼女に答えようかと思って。

どうしてもね 普通はね
お姉ちゃんより

あなたが すごいって話に
なっちゃうんですよ。

今 そのラジオに出てるって
すごいよっていう話とか

今 彼女が どうすごいのかっていうことを
話すのに徹したんですけど

あ なるほど 日蓮のやり方は
もっともっとシンプルで

もしかしたら あの時
お姉ちゃんに電話をつないで

お姉ちゃんが 彼女を
どう すごく思ってるかを聞き出して

そのことを伝えてあげた方が
よかったかもしれない。

日蓮 すごい。
レギュラー取られちゃうな 日蓮に。

誰が言うか ですよね。
いや~ そう。

日蓮は テクニックもあるけど 恐らく
彼女のことを すごく考えてますよね。

さあ では日蓮が 女性差別に対して
どのような考え方を持っていたのか

見ていきましょう。

鎌倉時代
封建社会が誕生すると

人々の間でも
仏教の世界でも

男性優位の考え方が はびこっていました。

一切の女人も
必ず他人に こびへつらって

心が曲がりくねっているって
どういうことですかね。

あきれて ものも言えませんよね。

更に
女性には 月経があるということから

頻繁に血を流す けがれたものとされ

不吉で 劣った存在と
見なされるようになります。

そのような状況の中で
日蓮は 女性信者から…

…と質問され

次のように
手紙で答えています。

月経は 排泄と同じで
単なる生理現象にすぎず

生命を生み出すための
体の原理であるという

科学的で 合理的な考えを
日蓮は持っていたのです。

日蓮は なぜ…

そして 門弟の四条金吾の妻に対して
こんな手紙を送っています。

もともと 原始仏教では
男性 女性にかかわらず

誰もが覚りを開くことができ
仏陀になれると説かれていました。

ところが お釈迦様が亡くなったあと

男性出家者しか 覚りを開くことが
できないと 経典に書かれるようになり

女性蔑視の考えが
見られるようになります。

仏教に 女性を蔑視する
バラモン教の教えが取り込まれて

権威主義化していきました。

その後 男性中心の考え方が主流になり

女性は
劣っているものとされてしまったのです。

そんな中 日蓮は 「法華経」には…

…と書かれていることを
伝え続けたのです。

経典によっては かなり ひどい言葉で
書かれていますね。 はい。

日蓮はですね…

重要な言葉の一節を抜き書きにして
箇条書きにして 整理してるんですね。

その中にですね 「法華経」以外の経典で
女性を蔑視する言葉という項目を立てて

今のような言葉を拾い出してるわけです。

その中に この月経ということ。

ほ~。

月経に関して
「日蓮の手紙」にもありました。

もう はっきりとね
単なる生理現象でしょうと。

命を継ぐための原理に
のっとってるものでしかありませんから

何にも 気にすることはありませんという
返事を出してるわけですよ。

もともと仏教は そういう
迷信じみたことを 一切排除したんです。

ところが 日本には
ある経典が伝わってくるんですね。

女性は 出産だとか月経の時に
この 血液を流すと。

そうすると 水に その血液が流れていく。

…という経典なんですよ。

それが いつの間にか
日本に入ってくるわけです。

その影響も まあ今日 そういう
月経をね 忌み嫌うというような

この考え方の発端になったとも
いわれてますね。

え~ 例えば
スパルタ式の 超名門の運動部とかが

「女を見るな!」というね。

「お前は 女を見ると
練習に力が入んないんだ」っていうね。

「あいつらは もう悪魔だ!」。

思春期の
まだ 覚ってない子どもたちが

例えば 恋愛感情や性欲を
コントロールできないとするならば

そういう教え方が手っとり早かった
というのは

僕は なくはないと思うんです。
はい。

でも そこが恐ろしいのは
それが当たり前になって

その 世の中が…

…ということで 真実だとされちゃうと

それ 違いますよって
しかも 男性の日蓮が言うのって

ちょっと かっこいいというか
やっぱ すばらしいと思うところです。

そして こちらの手紙もありました。

これは 女性を励ますという趣旨で
書かれた手紙ではあるんですよね?

そうですね。 この 女性が勝れてて
それだけじゃなくて

男性にも勝るとも劣らない
存在であるんだということが

「法華経」に書いてあることが
非常に救いだったんだと思いますね。

四条金吾の奥さんが ちょうど…

それで心配になって
日蓮に ご供養のものを持ってきて

無事 息災であるようにという思いで
持ってきた。

それに対する手紙なんです。

なかんずく
あなたは 「法華経」を信じてるんだから

だから何も心配は要りませんということを
言う趣旨の手紙だと思います。

この手紙 最後
どう書かれていたかといいますと…。

…と書いていますねぇ。
はい。

四条金吾はですね まあ 直情径行で

言わんでいいことを パッと
言っちゃうような性格もあるんですけど。

前回 ありましたねぇ はい。
でも 正義感にあふれた人なんですよ。

日蓮が首を斬られるという時には
同行して

それで 日蓮が首を斬られたら
自分も腹を切ろうという人ですよね。

だから 内助の功で…

この 僕 すごいなと思うのは

厄年 関係ないよと言っちゃうのも
すごいなと思って。 そうですね。

厄っていうのも もともとは

それぐらいの年齢で ガタがくることが
いっぱいあるから

気をつけといた方が 安全に生きる確率が
上がりますよっていうことなんだけど

宗教側の人が
気にしなくていいんだって言う。

立派も立派ですよね。

日蓮は 厄年ということは月経と同じで

ただ 世間で
そう言われてるだけのものであって

何も心配することはないよと。

この厄年っちゅうことが
日本で いわれるようになったのは

平安時代からなんです。
はい。

恐らく おっしゃったように
これは経験則だと思います。

お釈迦さんは。

いろんな思い込みだとか 先入観だとか
そういったことをね 取り払ってあげる。

で 何かこう 日蓮の一枚一枚の手紙って
更に それが…

さあ では もう一通 女性に宛てた手紙
ご紹介しましょう。

ある年の夏
私が 佐渡に流されている時に

わざわざ 私を訪ねて
鎌倉からやって来た 女性の信者

日妙尼への手紙です。

この時 日蓮は
幕府から弾圧を受け

佐渡に流されていました。

多くの信奉者も 牢に入れられ
所領を没収されるなど

迫害されていたのです。

日妙尼も 日蓮の信者であるため
厳しい目が向けられていました。

また 幕府内では 北条一族の間で
家督をめぐって 内紛が起こり

世の中は 騒然としていました。

更に 山賊や海賊も横行。

佐渡への道中
いつ襲われるかも分かりません。

男性であっても
二の足を踏むような状況の中で

幼い娘を連れて
鎌倉から佐渡へと やって来た 日妙尼。

その思いに感激し
日蓮は手紙を書いたのです。

実語 真実の言葉である
「法華経」を

真に理解する
「法華経」の行者であり

更には 徳の高い
高潔な人格の 聖人に匹敵する人物だと

私は感じたのです。

で この手紙が その日妙尼を励ましている
という手紙なんですけれども。

まずですね 冒頭に
「須弥山を頭に載せて 大海を渡る人」と

こう 書いてありますけども
ありえないですよね。

はい 山ですもんね。

須弥山というのは
世界の中心にある山なんですよ。

多分 ヒマラヤをイメージしてると
思うんですけども

それを頭に載せたら
重量が相当ありますから。

大変な状況の中で
しかも 鎌倉から佐渡まで

娘1人を連れてですね
2人で訪ねてきたわけですね。

まあ そういったことを踏まえてですね

ここに「日本第一の『法華経』の行者の女人」
という言葉がありますが

惜しげもなく 与えてるんですね。

で しかも その次に
「常不軽菩薩」というのが出てきます。

これは 何ですか?

これは
「法華経」にしか出てこない菩薩なんです。

誰びとに向かっても そう合掌して
なぜかというと

あなたも仏になるからですということを
言い続けるわけです。

これは日蓮が 自らも不軽菩薩を 我が身に
引き当てて 読んでた人物なんです。

それを この女性にも引き当ててる。

しかも 「聖人」という 高潔の教祖か

高い位の弟子にしか
使われないような言葉を

女性に向かって 使ってる。

これ自体がですね 日蓮が…

…ということの表れじゃないか
というふうに思います。

女性なのに ここまでやるって
すごいじゃん みたいな

単純な話じゃなくて

仏教の下では平等なんだけれども
この乱れた世の中においては…

もっと言えば 体力的な問題として

山賊をやるような男に対抗できるか
というと

それは 普通の女性だったら
かなり不利じゃないですか。

…においても ここまで来ました
っていうことは それは…

すごい心を持ってるんだっていうことが
日蓮の言いたいことで。

ちゃんと こう いろんな現状を把握して

今の世の中の環境で 彼女が ここまで
やっていることが どれだけすごいかで

この 聖人という名前まで
言ってくれるっていうのは

やっぱり うれしいと思うんですよね。
すごい光栄ですよね。

で 仏教は…

男か女かということよりも

人間として その人が
立派であるかどうかが大事ですと。

だから このようにですね
仏教というのは…

平等の思想を説いたし 日蓮も
それを もう一回 原点に戻そうとして

こういう いろんな機会を利用して
手紙を通して

それを発言していたということを
知ってもらえばいいかと思ってますね。

さあ では次回は
日蓮の死生観を読み解いていきます。

植木さん ありがとうございました。
どうもありがとうございました。

ありがとうございました。

♬~

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