出典:EPGの番組情報
NHK地域局発 ラウンドちゅうごく「バス新時代 始まった移動革命」[字]
バス減便と運転手不足を乗り切る最新技術▽自動運転バスが走行!無人運転も一部でスタート▽好きな時に好きな場所から!スマホで予約のデマンドバス▽次世代の公共交通とは
詳細情報
番組内容
広島大学は自治体・企業と連携し、自動運転バスの走行実験をキャンパス内で始めた。車両は安全確保のためのレーダーやカメラがついた最新式。駅やスーパーなどを結ぶことを目指している▽広島電鉄は好きな時に好きな場所から乗れるワンボックスカーを運行。スマホで予約でき、時刻表も決まったルートもないデマンドバスとは▽尾道市では住民にも観光客にも便利な小型の電気自動車を運行。各地で始まった移動革命の最前線。
出演者
【出演】呉工業高等専門学校交通システム工学教授…神田佑亮,【キャスター】出山知樹ジャンル :
ニュース/報道 – 交通
ニュース/報道 – ローカル・地域
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
テキストマイニング結果
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解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)
今 路線バスの存続が
危ぶまれています。
先月 広島県呉市では
9つの路線で大幅に減便。
住宅団地内を走る路線では
休日の本数が半分近くに減りました。
路線バスの利用者は
人口減少などにより年々減少。
中国地方では
最盛期の3分の1以下となっています。
更に 募集をかけても
運転手不足が解消されず
減便に追い打ちをかけようとしています。
そんな中
運転手の乗らない自動運転車の導入や
スマートフォンなどから
乗る時間も場所も自由に選べる
デマンドバスが登場。
次世代の公共交通を模索する取り組みが
各地で始まっています。
最新技術は 私たちの生活を
どのように変えていくのか。
動き出した移動革命の最前線を
見つめます。
先月 広島大学は
自治体や民間企業と合同で
自動運転車両の導入に向けて
実証実験を開始しました。
車は アメリカで開発された
最新鋭の電気自動車。
アクセルやブレーキは
自動で動き
プログラムされたルートを
走行していきます。
正確な道を走行できるか
人を乗せた状態で安全に問題はないか
今は 運転手を乗せてキャンパス内を走り
確認しています。
車両は 6人乗りで
長さは 軽自動車より少し大きめの
4.5メートルほど。
プログラムされたルートなどが
見えやすいように
ハンドルは T字形になっています。
安全を守るための
最新テクノロジーがこちら。
電波で障害物を認識する
ミリ波レーダーが5つ。
更に レーザーを放ち
その反射で対象物との距離を計測する
LiDARが5つ。
そして その対象物は 一体何なのか
7台のカメラで確認できるシステムに
なっているといいます。
こちらの車 アメリカでは 3年前から
乗り合いバスとして一般道で運行。
運転手は
緊急時に備えて乗車していますが
通常の走行では
運転操作を行っていません。
2つの都市で運行されて
安全性が確認されたため
新たに 2都市で
導入が検討されるなど
普及が
急ピッチで進んでいます。
自動運転は 5つの
レベルに分かれ
3以上では
車のシステムが
運転の主体に
なります。
アメリカでは
完全自動運転に近い
レベル4となっています。
現在 広島では
運転手が自動運転システムを
常に監視するレベル2で実験中。
目指すは レベル4です。
広島大学と協力し
自動運転バスの導入を目指す東広島市は
将来的に 山間部などの過疎地での運行を
目指しています。
プロジェクトの指揮をとる広島大学教授…
自動運転化によって
バス会社が抱える課題も
解決できると考えています。
先月 日本初となる
レベル3の自動運転バスの運行が
福井県永平寺町で開始されました。
緊急時以外は
車のシステムに運転を任せます。
行ってきま~す!
運転手は 乗っていません。
ハンドルやブレーキ操作など 運転操作は
全てシステムが自動でコントロール。
およそ2キロの遊歩道を
最高時速12キロで走行していきます。
その様子は 遠隔操作室の担当者が
カメラなどで確認。
緊急時には
遠隔で対応できるよう備えています。
広島でも
自動運転バスの実用化に向けて
急ピッチで実験が進められています。
数年後には
交通量や道路標識の多い通りでの運行も
可能にしたいと考えています。
「ラウンドちゅうごく」です。
バス新時代
まずは 自動運転について
ご覧いただきました。
今日は
専門家の方に お越しいただいています。
交通システム工学が ご専門の
神田佑亮さんです
どうぞ よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
神田さん
自動運転への取り組みというのは
中国地方でも
広がってきているんでしょうか?
はい ここ数年
急に広がってきています。
島根県の飯南町で
この街なかの自動運転が始まりまして
ここ最近では広島県の呉市
また 福山市で自動運転の実証実験が
進められています。
この自動運転を進めていくことに
どんな意義があるんでしょうか?
まあ 自動運転の車両を
導入することによって
より きめこまやかで かつ
ドライバー不足にも対応した形での
使いやすい交通の実現をするといった
使いにくい交通から
使いやすい交通への
切り替えといったことが期待されます。
今まで過疎地の公共交通っていうのは
利用者が減る
利用者が減った結果 便数が減ったり
あるいは 運行する範囲が
狭まってくるっていった形で
ずっと ここしばらく続いてきたんです。
これが自動運転
こういったものの普及によりまして
ずっと縮小傾向にあったものが
今まで行けなかった所に
公共交通サービスが提供される
あるいは 便数を増やすといった形で
公共交通を利用するための環境が
変わってくる
便利になってくる可能性っていうものも
秘めているかなと思われます。
一方で 広島市などの都市部では
どんなことが
期待されているんでしょうか?
ドライバー不足問題というものは
過疎地に限らず
都心部でも大きな問題と
なっております。
ドライバー不足に加えまして
バスドライバーの高齢化問題
というものも
非常に深刻な状態になっております。
若いドライバーの
なり手 担い手というのが
なかなか集まらなくて そうした中で
新たなドライバーの担い手の
確保っていうのは
大きな問題になっていきますが
こういった
自動運転のような形の車両については
普通車の二種免許
タクシーと同じような免許でも
運転できるようになるんですけれども
そうした中で 新たなドライバーの
担い手の確保によって
公共交通サービスを安定して
提供することができることに
つながることも期待されます。
今後 実際に普及を進めていく上で
どんなことが この自動運転 課題になる
というふうに お考えでしょうか?
大きくは 2つ課題がありますね。
1つ目の課題は
安全といったところです。
安全の面につきましては
技術の開発っていうのも
進んでおりますし
ここは 時間がたつとともに
いろいろできると思うんですけども
もう一つ 大きな課題は
こうした自動運転の車両が
世の中 社会 人々が
ちゃんと
受け入れることが可能かどうか
といったところが 非常に
大きな課題の一つであったりします。
非常に自動運転ってワクワクする
乗り物だと思うんですけれども
いざ 実際に自動運転の車に乗ってみろと
言われると
やはり 初め乗る時には
非常に 怖いな
乗って大丈夫かなっていうところの
恐怖感って大きいんだと思うんですね。
我々が初めて
飛行機に乗る時を想像しますと
こんな乗り物が
果たして空飛ぶのかなとか
あるいは 飛行機乗ってる時に
気流の変化に遭遇した時に 非常に
不安感を抱くと思うんですけども
これも何度か乗ってきますと慣れてきて
快適に 少し揺れても
びくともせずに過ごせるように
なってくるのかなと思ってまして
そういった形の
慣れていくという過程を
自動運転の車でも
経ていかなければならない
というわけになるかなと思います。
実際 この自動運転の車がですね
自由に
街の中を走れるようになるまでは
どれくらいかかる というふうに
考えていらっしゃるんでしょう?
例えば 2030年には
実際 走ってる車の2割程度が
自動運転車両に
なってるんじゃないのかな
という予測もあったりします。
そこから考えますと
夢の話ではなくて
もう10年たった時には
結構 身近に走ってるということも
想像に難くないのかなと思いますね。
公共交通として バスの運行は
どうあるべきか
利用者としての利便性を高める取り組みも
始まっています。
今年2月 ワンボックスカーを使った
新たなバスが走り始めました。
運行するのは 路面電車や
路線バスの事業を行う広島電鉄です。
驚くことに このバスには
時刻表も決まったルートもありません。
現在 バスが運行しているのは
五日市駅の南側に広がるエリア。
大きな通りにしか
路線バスが走っていない
交通空白地帯と呼ばれる場所でした。
東西およそ3キロ
南北
およそ2キロのエリア。
そこに 60か所の
乗車ポイントを設置。
その間隔は 僅か数十メートルしか
離れていない場所も多く
利便性が高められています。
運行開始から 2か月。
通勤や通学に利用する人も
増え始めています。
どうも。
例えば こちらの男性
週に3日 自宅近くの乗車ポイントから
利用するといいます。
バスに乗ること およそ10分。
はい どうも 失礼します。
勤め先の すぐ目の前にあるポイントで
降りました。
好きな時に 好きな場所で
乗り降りできる予約型のデマンドバス。
利用者は スマートフォンなどから
簡単に予約を入れることができます。
まず 数あるポイントの中から
乗車場所と降車場所を選択。
次に希望の時間を選べば
これだけで予約は完了。
1回の利用料は 大人200円。
バス会社にとって
採算を取ることが難しい金額ですが
そこには戦略があります。
例えばAのポイントから
乗車し
五日市駅まで
移動すると
電車や路線バスへの
乗り継ぎがスムーズに。
公共交通全体への
利用率を高め
売り上げを伸ばそうと
しているのです。
運行開始から2か月。
利用するための登録手続きを取った人は
500人を超えました。
更に 狭い路地を走れる
ワンボックスカーを使用することが
会社のメリットに つながっています。
運転者の不足を解消できる可能性がある
というのです。
会社では 地元スーパーとの連携も
始めました。
1, 000円以上の買い物をすれば
バスの無料利用券がもらえる
タイアップです。
今後は 医療施設などとも協力を進め
デマンドバスの利用率を
高めていこうとしています。
一方 こちらは
広島県を代表する観光地の一つ 尾道。
その街なかを尾道市などが運営する
ゴルフ場のカートのような車が
走っています。
これは 国も導入を進めている…
通称 グリスロと呼ばれる電気自動車です。
車両が小型なため
尾道特有の狭い路地や坂道を
進んでいくことができます。
この新しいモビリティーに
高齢化する住民の
生活交通としての期待が
寄せられています。
1回の利用料は 大人200円。
地元住民の利用だけでは
利益を出すのが難しいため
尾道市が期待しているのは
観光客の利用です。
現在
尾道のグリスロが
走行するのは 街の中心部。
寺などの
観光スポットも
ルートに
組み込みました。
窓も扉もないグリスロ。
観光客は
旅先の景色や風を楽しむことができます。
更に尾道市では
観光客に喜んでもらおうと
街の施設と連携したサービスを
打ち出しています。
乗車時にもらえる乗車証明書。
これを見せると
寺の拝観料が1割安くなり
店での買い物も5%割引になります。
尾道市では 今後も
観光施設や商店との連携を図る中で
観光客の利用を増やし採算を取ることを
目指しています。
グリーンスローモビリティーですね
これ 採算取れるのかというふうにも
感じるのですが いかがでしょうか?
おっしゃるとおりで
グリーンスローモビリティー
っていう交通のサービスだけだと
採算を取るのは ほぼ難しいと思います。
解決していくには
どういうふうに
していけばいい
というふうに お考えでしょう?
島根県の松江市ですね
こちらでは 社会福祉法人の方が
お年寄りでありますとか ご自身で
なかなか移動できない方々向けに
福祉の輸送といった目的で
導入をされているといった実例が
ございます。
松江市の社会福祉法人では
高台にある団地の住民向けに
電気自動車を走らせています。
高齢者施設だけでなく
病院やスーパー 美容院など
住民たちが希望する場所を
ルートに取り入れることで
採算を取るのが目標です。
一方でVTRでは もう一つ
オンデマンドバスをご紹介しました。
これは
どういった意義がある取り組みだ
というふうに お考えでしょう?
移動って家の外から出て
ちょっと歩いて そこから何らかの
遠くに行ける交通手段に乗って
そこから また地域の交通に乗って
目的地に行く
っていう組み合わせなんです。
そうしますと まず家から出ての交通が
しっかりしていないと
もう ご自身が外出を諦めてしまう
そこに対して
まずは 初めの第一歩の交通を
こうしたサービスで
補ってあげるっていうことは
そのご自身が諦めてた移動
諦めてた活動っていうものを
諦めなくてもよくなる
なので街の外に出ていく
外出していくといったことに
つながりますし
オンデマンド交通が充実することで
移動全体が増えていって
結局 路面電車の利用者
あるいは 路線バスの利用者
ここのトータルが増えていく
といった中で
この一つのピースが
実は 移動全体 街全体に対しても
非常に大きな役割を果たす可能性が
あるかなと思ってきてます。
バス新時代は
社会を どのように変える可能性がある
というふうにお考えでしょうか?
今の状態っていうのは 100年に一度の
大きな変革期だというお話もあります。
この交通っていうものを
今後は 交通と街と
両方連携をして
考えていかなきゃいけない。
人口は 減るけども
人 1人当たり
街に出る回数を増やしていって
賢い交通の使い方 運賃の設定
新しい交通手段 自動運転と
こうしたものを織り交ぜて考えていくと。
ただ これを公共交通事業者だけで
やるんではなくて
観光 あるいは福祉とか あるいは教育
そういった行政の中のいろんな組織が
横断する形
そして
民間も公共交通事業者だけじゃなくて
商店 観光施設 そして我々
研究者のような立場の人間も含めて
それを早く実現をしていく
といったところが
間違いなく大きなポイントに
なってきます。
広島大学で実用化に向けた走行実験が続く
自動運転車。
9月からは 大学キャンパスを飛び出し
一般道を走ってスーパーとの間を往復する
新たなステージに移ります。
広島電鉄が取り組むデマンドバス。
公共交通の充実を加速させようと
今年中に更に もう一つの地域での
運行開始を目標にしています。
人口減少と超高齢化が進む中で幕を開けた
バス新時代。
もっと身近で
もっと使いやすい公共交通が
求められています。
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