歴史探偵「ハードボイルド!応仁の乱」[解][字]…の番組内容解析まとめ

出典:EPGの番組情報

歴史探偵「ハードボイルド!応仁の乱」[解][字]

1467年、京の都は戦の炎に包まれた。日本を真っ二つに分けた応仁の乱だ。混乱の元凶となった足軽を徹底調査。謎の新兵器に巨大やぐら!戦国時代の到来を告げる足軽戦記

番組内容
戦国への転換点になったとも言われる応仁の乱。戦場に姿をあらわしたのが足軽だ。集団で武士に襲いかかり、放火や略奪を繰り返す悪逆非道な戦いぶり。都を恐怖のどん底に叩き落した。今回、足軽の戦法を調査。鉄砲のルーツとみられる謎の新兵器や高層ビルさながらの巨大やぐらまで登場。まったく新しい応仁の乱をCGで徹底再現した。そして、足軽の常識破りの戦いは、戦国の幕開けにつながっていく。ハードボイルドな足軽戦記!
出演者
【出演】佐藤二朗,【司会】渡邊佐和子

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行

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キーワード出現数ベスト20

  1. 足軽
  2. 応仁
  3. 井伊
  4. 武士
  5. 武器
  6. 当時
  7. お願い
  8. 今日
  9. 三眼銃
  10. 所長
  11. 西軍
  12. 東軍
  13. 井楼
  14. 京都
  15. 攻撃
  16. 山田
  17. 実際
  18. 陣地
  19. 略奪
  20. 歴史

解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)

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<京の都は 戦乱の炎に包まれた!>

(悲鳴)

<東西に切り裂かれた町。

突如出現した 恐怖の集団によって
悲劇は繰り返された!>

(兵たちのおたけび)

「歴史探偵」 今日の調査は…

日本を揺るがした
戦い

その 本当の姿を
お見せします。

あっ この柱…。
そうです これです。

これ 当時の傷痕?
そうです。

500年以上前の傷

生々しく残ってますよ。 へえ~。

柱に刻まれた 無数の傷痕。

戦場には
全く新しい兵士たちが現れました。

それは 「足軽」!

戦いそのものを変えた 足軽たち。
その驚きの戦術とは…。

頭を 槍でたたく! たたく!

リーダーAが突いた! 突いた!

武士も さすがに こらえきれない!

更に今回 応仁の乱の戦闘を

CGで徹底再現。

え!? 何ですか? これ。

謎の新兵器も登場!

こんな戦い 見たことない?

日本史を変えた激戦が
今 よみがえります。

「歴史探偵」 調査開始です。

♬~

さあ 所長
今日の調査は 応仁の乱です。

出ましたねえ。 もう 超有名。
教科書にもね 出てますね。

私は 「ひとの世 むなし」
1467年 応仁の乱 覚えましたよ。

覚えましたよねえ。
ハッハッハッ。

今 結構 いろんな本が出版されていて
歴史の研究者も注目している

ホットなテーマなんですよ 応仁の乱。

これはもう でも
そんなホットなテーマだったら

探偵所の所長としては
知っておかないと駄目だね。
そうですね。

う~ん。 そうですね。
おっ。

ということで まずはですね
応仁の乱 概要を押さえていきましょう。

ちょっと 近田探偵
ごめんごめん それは… ごめんな?

仕事いく前に。 今日 眼鏡どうした?

眼鏡… 家に忘れました。

ハッハッハッハッ!
家に忘れたのか!

今日 違うなあと思いましたよね
ちょっと雰囲気が。

ちょっと違うなと思って。 ごめんごめん。
すいません。 ノー眼鏡。

応仁の乱。
まず 概要を押さえていきましょう。

全国の守護大名が
西軍東軍 二手に分かれて争いました。

東軍が 細川勝元 畠山政長
斯波義敏

京極 赤松 武田ら。

西軍が 山名宗全 畠山義就

斯波義廉 土岐
一色 大内らです。

1467年5月に 乱が始まります。

一色邸を東軍が攻撃。

6月には
伊勢貞親が華頂山に陣を張ります。

将軍の…。
ごめん ごめん。

ちょっと あの その 眼鏡のない青年。

ちょっと あまりの情報量で ごめん。

むしろ逆に 何一つ
頭に入ってこなかったんだけど。

ぼう然とされてましたよね 今。
今 正直 ぼう然としてました。

ですよね。
「ですよね」じゃない。

複雑すぎて…。
なので 今日は あるキーワードで

応仁の乱 見ていきます。
何だい? そのキーワードって。

はい それがこちらです はい。

あら! 足軽。
そう。

戦国時代に
いっぱい出てきた あの足軽ですか?

おっしゃるとおりです。

この足軽から 応仁の乱を見ていくと

いろんなものが 実は見えてくる。

へえ~。
ということで 足軽から読み解く

新説 応仁の乱。 まずは 現地調査です。

あっ ありました。 国宝 千本釈迦堂。

ここに…

行ってみましょう。

千本釈迦堂は
京都で 最も古い建物の一つ。

応仁の乱の戦火を くぐり抜け
当時の姿を残しています。

あっ いらっしゃいました。

井伊さん 今日 よろしくお願いします。

どうも お久しぶりです。
また 本日もよろしく…。

お願いします。
「歴史探偵」近田と申します。

案内して下さるのは…

室町時代の武器に詳しい専門家です。

いや~ 歴史を感じますね。

あっ この柱?
そうです。 これですわ。

えっ!? これ 当時の傷痕?

そうです。
所長 これ…

生々しく残ってますよ。

足軽のやった跡…。 へえ~!

「足軽」とは
馬に乗らずに戦う
下級兵士のこと。

戦国時代になると

弓や鉄砲を駆使した戦術で
戦の主役となりました。

足軽が
初めて 大々的に用いられたのが

応仁の乱と言われています。

しかし この足軽たち。
武士とは ちょっと違っていました。

応仁の乱を描いた絵巻です。

武士は よろいや かぶとを
つけていますが…

足軽は軽装。

中には よろいさえ
つけていない者もいます。

なぜ こんな姿で戦に加わったのか。

これには 当時の社会事情が
関係していました。

(カラスの鳴き声)

乱が起きる前
京都周辺では 飢きんが相次ぎ

農村の食料不足が深刻化します。

飢えた人々は 村を捨て
京の都へ流れ込みました。

そうした中 起こったのが…

人々は 生きるため
身一つで 戦に駆り出されていきます。

それが 足軽だったのです。

武士のような武芸を
身につけていなかった足軽たち。

そのかわりに
新しい武器を持っていました。

ここだけじゃなくて
そこにもある…

あっ ここ? あっ ここですか?
そこにもある。

あっ これ?
(井伊)はいはい。 結構 大きく残ってる。

井伊さん 気になったのは これ…

(井伊)かなりね 力を入れてやってますな。

頑丈な木の柱に
鋭く 深い穴を開ける威力。

その武器が
残されているといいます。

どれですか?

太いね この柄の太い。
あっ それが…。

ちょっと見せて頂けます?
(井伊)はい。

ちょっと じゃあ失礼します。
いいですか?

じゃあ あの… 井伊さん監修のもとで
持たせて頂きます。 失礼します。

離しまっせ。
はい。

あっ ぐっとくる ぐっとくる。

これを振り回して 攻めていたわけですか。

いや~ これが当時の槍。
(井伊)そうです。

武士の武器といえば
日本刀のイメージがありますが

実際 刀で敵を倒すのは

そう簡単ではなかったようです。

刀で よろいを斬るには

斬り始めた瞬間から
斬り終わるまで

一定の方向に 刀を振る必要があります。

途中で 刃の方向がずれると

斬れずに 刀が曲がったり

折れたりしてしまうことも…。

槍は どうなんでしょうか?
槍は…

左右に刃がある 槍は。

(井伊)だから 刀よりは
斬れる面積が多いわけですよね。

槍の穂先の断面は 二等辺三角形で

左右も刃になっています。

刃のどちらかが当たるだけで

敵に 痛手を負わせることができました。

突いた時の威力は

堅い柱にも 穴を開けるほど。

これなら 頑丈なよろいも貫けます。

武芸に劣る足軽にとって

槍は 扱いやすさと強さを併せ持つ…

さあ 足軽たちの実力は
どんなものだったのか

ここからは 戦いを再現します。

解説は井伊達夫さん
実況 近田でお伝えします。

井伊さん よろしくお願いします。
よろしくお願いします。

解説? なんという…
こんな試みまで。

さあ まずは
足軽の格好から見ていきましょう。

足元はわらじ そして防具は腹巻

胴回りだけのよろいですね。

そして 頭は布を巻いただけという
軽装です。

そして 武器は もちろん槍です。
長さは3mあります。

今回は 安全のため
先端には クッションが入っています。

このように 当たっても
痛くはありません。

対するは 完全武装のよろい武者。
武芸に秀でた歴戦の武士です。

武器は太刀。

こちらも けがをしないように
やわらかいものを使います。

さあ では 両者 向き合って…

戦い 始め!

やあ!
おう!

さあ 戦いが始まりました。
両者 向き合っている。

槍を構える足軽。

左右に 軽快に動いてますね。
フットワークが軽い。

手にした槍を…

おっと たたきにいった!
井伊さん 突くんではないんですね。

(井伊)そうですね。

たたき。
(井伊)ええ。 で その防ぐ体勢が
崩れたところを 突くわけです。

はい。
しかし その たたく槍に対して

武士は スーッと
身を後ろに引いて

華麗によけていきます。

(井伊)まあ 武士の方には

武芸の もともと
心得が 相当あるということですね。

はい。 今 もう見事に
その槍を打ち払いました。

さあ もう一回 打ち払う!

武士は微動だにしない。
華麗に動く足軽。

はい。 ああっ
今 斬りにいった 斬りにいった~!

足軽 やられました~!

1対1の勝負…

1対1では
武士にかなわなかった足軽。

では 実際…

それでは 続いての戦いです。

槍を持った足軽が
今度は 3人 登場してきました。

足軽の戦い方の基本
それは 敵を複数で襲う集団戦でした。

はあ はあ はあ
こうなると 変わるなあ。

井伊さん この状況
どう 見ればいいでしょうか?

足軽が 数的優位に立つケースが
実際の戦場でもありうると。

(井伊)そういうことですね。
はい。

それでは 両者 戦い 始め!

(足軽たち)やあ!
(武士)おう!

さあ まずは
足軽が 武士に対して広がりました。

リーダー格が足軽A。
B Cが その手下。

B Cは より一層 軽装です。

リーダー格のAは
左に位置しています。

サッカーで言うところの
ウイングの位置。

井伊さん これは
どんな ねらいがあるんでしょうか?

(井伊)これは
下の手下に働かせてですね

いいところを取ってしまうという…

なるほど。 そして 武士が今
後ろを ちらっと見て

民家を背にしました。
これは どういう意図がありますか?

(井伊)そうです そうです。
これは大事なことですね。

そしてまた BとCがいく!

あっ 今
足軽Cがやられた やられた!

しかし その隙に
リーダーAが突いた! 突いた!

これは 深手になりそうだ!
(井伊)これは… これは えらいわ。

一斉攻撃が始まった!
武士も さすがに こらえきれない!

今 刀が その手から落ちました!

武士が ゆっくりと崩れ落ちる。

3対1は…

(足軽A B)やあ!

さあ 井伊さん。
足軽も 1人やられはしましたけれども

勝利は 足軽ということです。
(井伊)そうですね。

なるほど。 これは やっぱり

数的有利が 大きく効いていった
ということでしょうか?

(井伊)もう そういうことですね。

実力の差を埋める 武器と戦い方。

こうして足軽は
応仁の乱の主役となっていったのです。

まあ 1対1の戦いではね
やっぱり 素人と 戦いのプロでね

まあ やっぱ…

ねえ そうでしたね。

でも 何かちょっと こう…

今まで 個人の力が重要だったんですが…

ですから まあ結構 複数で
1人の武士をやっつけるっていうのは

あったみたいですね。
う~ん。

しかも 所長 あの槍ですよ。

今の形をした槍っていうのは
意外に新しくて

応仁の乱から 100年ぐらい前の…

槍っていうのは
やっぱり 穂が非常に鋭いので

「突く」というですね
それに特化した武器なんですね。

なるほどね。
加えて たたくこともできると。

そうです。 たたくこともできる。

だから ほんとに未熟な素人でもですね
戦えちゃうので

まさに その 足軽のための武器
っていうのが登場して…

転換点だったわけですけど…

それだよ。

え~ 何だろう…
今で言う チラシみたいな?

「足軽募集」みたいな。
「足軽募集」って書いたチラシを

ばらまいたとか。 違うか。

何ですと!? ごめんなさい。

今 もう ほんと もう8割方 9割方
冗談で言ったんですけど ほぼ正解?

京都の街角で 足軽にならないか
っていうふうに呼びかけて こう集めて。

そういうパターンが
多かったみたいですね。

じゃ 所長 その足軽大将が
どんな人物だったか 気になりませんか?

「お~い 足軽なんねえか」つって
集めるわけでしょ?
そうなんです。

もともと どんな人なのかっていうのは
ちょっとね 気になるね。

なりますよね? 調べてみると
これが… とんでもないやつでした。

何ですか それ。

当時の僧侶の日記に

都を恐怖に突き落とした

足軽大将の
記述が…。

その名は
骨皮道賢。

おい おまえ!
わしの名をいってみろ!

おっ おっと?

随分 露骨だねえ これ。

これ ちょっと
あからさますぎない?

<骨皮道賢は 盗賊などを取り締まる

室町幕府の役人であった。

しか~し!

応仁の乱が始まると 一転

あぶれ者たちを かき集め

足軽軍団を結成した。 その数300人!>

よ~し やれい!

承知! ギャハー!

待ってました!
アハハハー!

(人々の悲鳴)
ぐへへ… 燃えろ 燃えろ~。

汚物は丸焼きだ~!

<東軍に加えられた
道賢たち 足軽軍団の任務は

敵の補給拠点を

徹底的に
破壊することだった。

ある時は 道賢の放った火が

1キロ余りも
町を焼き尽くしたという>

<道賢たちが 敵軍と戦う時は…>

うお~!
やっちまえ!

なに!? おのれ ひきょうな!
尋常に勝負せい!

ほざけ!

一人になった
てめえが悪ぃのさ!

(武士)あべしっ!

ルール無用の戦い方で
忌み嫌われる存在だった足軽。

しかし 戦力として
次々と組み込まれていきます。

その理由は

給料を払う必要が
なかったから。
ええ!?

代わりに
恐ろしいことが
許されていました。

何ですの。

お前たち よ~く働いた!
約束だ。 好きなだけ奪ってこい!

うお~!
待ってました~!

急げ~
イ~ヒャッヒャッヒャッ!

ヒャ~ハハッ!
やっと お楽しみだぜ~!

フフフッ お宝 お宝~。

随分 ため込んでやがる…。
ど~れ 俺様がもらってやるとするか。

アッハッハッハッ…!

(鳴き声)
待て 待てえ~!

(町人)ヒッ… やめて下され
それだけは… それだけは~!

うるせえ!
黙って よこしやがれ!

ああっ!

家を焼かれた ある公家は
足軽について こう嘆きました。

フフフフフフフフッ…
ハッハッハッハッ!

ドワーハッハッハッハッハッハー!

いや もう 足軽で
「ヒャー!」って言ってた人は

「ひでぶっ!」とか言って
殺される人たちでしょ?

そうですね。
「あべし!」とも言ってましたね。

「あべし!」とも言っていた。

まあ 無秩序というのは
非常に よく伝わりましたね。

そうですね。
ですから ほんとに…

で まあ 公家さんとか
大きな お寺なんかは

やっぱり 「足軽になってはいけない」
っていう足軽禁止令を。

ハハハッ! 足軽禁止令。
禁止令 出してるんですよ。

あるお寺で
足軽禁止にしようということで

そのお寺は お堂の前でですね

まあ 領民とか関係者を呼んで
神仏に誓いなさいと。

その際に まあ誓約書ですね

起請文を書かせるっていうことを
言ったんですね。

もう 生活に困って…

もう なりふり構ってられない
ということなんですね。

ただ まあ 雇う側からしては
ほんとに 給料も払わなくてですね…。

ねっ びっくりした。
まさか ないとは思わなかった。

はい。 まあ 足軽大将クラスには

大名から お金が
行ったかもしれないんですけども…

むちゃくちゃやな もう。
略奪を許されてたってねえ?

うん そうなんですね。

しかも それが 結構なモチベーションに
なってたっていうから もう…。

でも ほんと止まらないですよね
そういうシステムになってしまったら。

そうですね。
なるほど なるほどね。

しかも その応仁の乱に参加した
朝倉孝景という武将がですね

家訓に
こんなことを言い残しているんですよ。

家訓に? ほう 何ですか?

朝倉は 実際に 応仁の乱で戦ってるので
恐らく 足軽の強さを…。

目の当たりにした。
ええ 実感したんでしょうね。

なので
高い刀 一本買うよりも

百本 ヤリ 買って

それを 足軽に
持たせた方がいいっていう

そういう実体験に基づく
ことばなのかもしれないですね。

それを でも… ねえ?
家訓にしてるぐらいだから。

だから ほんとに まあ
軍事的な大きな革命っていうような

そういう変化があったんです。

まさに!
はい そうですね。

所長 足軽は戦い方を変えました。
はい。

もう一つ 変えたものがあります。
何ですか?

形を変えたの? そうです。
何か さっきのVでも随分

「ヤーッ!」とかって言って
もう ワァッて

京の街が えらいことになってたけど
形も?

そうなんです。 どのようにして

京の街が変わっていったのか

そして そこでの戦いの様子
CGで徹底再現しました。

まずは 最も激しい戦いが行われた場所に
向かいました。

あっ あちらに いらっしゃいました。

山田先生
今日は よろしくお願いいたします。

こんにちは。 山田でございます。
よろしくお願いいたします。

京都の街の歴史を研究しています。

邸宅跡 ありますね。

こういう
立派な石碑が
建っておりますけれども

いわばですね 応仁の乱の時の…

では もう一方の…

じゃあ ずっと このまま
東の方に進んでいきたいと思います。

よろしくお願いします。
よろしくお願いします。

両軍の陣地が どれぐらい離れていたのか
調べてみました。

歩いて5分?
そうです。

ご近所さんじゃん。

(山田)すなわち
室町幕府の中で

一番 最大の
大名でありました

細川家の邸宅があった
ということになります。

おっ もう
ここなんですね。

400m。 僅か。

(山田)はい そうね。
鉄道で言うと
新幹線 1編成が400mですから…。

アハハハ。 それくらいですかね。
ということは

1号車と16号車で…。

意外とですね 応仁の乱の
東軍と西軍の距離っていうのは

近いんだということを
やっぱり 分かって頂きたいんでね。

では 復元した当時の地図で
見てみましょう。

両軍の陣地があったのは

天皇や将軍の御所の すぐ近く。

双方にとっても
戦略的に重要な場所でした。

もし ここから逃げようものなら

瞬く間に 敵に都を奪われてしまいます。

至近距離で戦い続けるしか
なかったのです。

しかし 攻めてくるのは
あの機敏な足軽。

当時の記録には
そのカギとなるものが記されていました。

「堀」です。

10年前に行われた
発掘調査では

幅4m 深さ2mの
堀の跡が見つかりました。

堀は 都の至る所に造られていきます。

こうして 足軽の攻撃にも備えた

都の要塞化が進んでいきました。

新たに設けられたのは
堀だけではありません。

敵の攻撃を いち早く察知する工夫も
施されました。

どうも こんにちは。
(スタッフ)今日は よろしくお願いします。

よろしくお願いします。

中井 均さんは 城郭遺跡の専門家。

日本各地で
発掘調査などに関わっています。

この絵図に描かれているそうです。

でも この絵図では
ちょっとイメージが浮かびません。

しかし 井楼やぐらの形を知るのに

うってつけのものを見つけました。

それが こちら
「太鼓やぐら」です。

大相撲 名古屋場所のもので
高さは なんと19m。

4本の柱を使って 当時と
同じような方法で建てられています。

応仁の乱では ここから敵を見張ったり
矢を放ったりしました。

実は こうした陣地の建設にも…

1, 000年の歴史を持つ お寺…

今回 ご紹介した足軽の絵は
このお寺の歴史を描いた絵巻の一場面。

そこには 足軽の意外な姿がありました。

なんと 略奪しているのは お寺の木材。

建材まで略奪しちゃうの?
何でも奪っていっちゃうんです。

なぜ こんなことをするのか。
絵巻には その答えも…。

寺から奪った木材で
何かを建てる足軽たち。

これが 井楼やぐらだと見られます。

土木作業も 足軽の重要な任務でした。

資材を現地調達し

防御施設を
造り上げていたのです。

都のあちこちに
にょきにょきとそびえる 井楼やぐら。

鉄壁の守りを誇る 両軍の陣地。

それでも 攻撃をやめないのが
足軽たちです。

応仁の乱では 足軽への切り札とも言える
新兵器が登場しました。

(発射音)

うわあっ!

それが 「飛砲火槍」です。

なんと 今回の調査中

この飛砲火槍と見られる武器が
見つかりました。

これ 開けてのお楽しみで…
こういうものです。

え!? 何ですか? これ。

(井伊)そうそうそう。

確かに言われれば…。
あっ 失礼します 急に。

うわ うわ うわ うわ うわっ!
あっ ずしっと!

見た目以上に ずしっと これ…
3kg 4kgありますね。

(井伊)ありますね。

これ 一般に「三眼銃」というんですけどね。

3本の銃身を
一つにまとめた

鉄製の三眼銃。

これこそが 「飛砲火槍」の
正体ではないかと

考えられています。

3つの穴に 火薬と石の弾を詰めます。

火薬に点火!

砕けた石を発射します。

もともと 中国の武器である三眼銃。

現在 国内で確認できるのは6例で
うち4つが 沖縄に残されています。

三眼銃の威力は
どれほどだったのか。

手がかりを求めて 沖縄へ。

沖縄本島中部の
中城グスク。

応仁の乱の
10年ほど前の…

城壁には 中から敵を狙う
「銃眼」が設けられています。

この写真は 実際に
銃眼から三眼銃を出して撮ったもの。

要塞と化した京の都で繰り広げられた
応仁の乱。

最新研究で浮かび上がった

足軽たちの新しい戦いを ご覧下さい。

応仁2年6月8日の夜。

東軍の足軽部隊 300人余りが

西軍の総大将 山名宗全の
陣地を襲撃。

(門に打ちつける音)

(足軽たちのおたけび)

井楼やぐらの上にいた見張りが

襲撃を察知。

矢の雨を降らせます。

矢をかわす足軽たち。

敵陣に 火をかけました。

ちょうど その時
あの新兵器 三眼銃です。

(発射音)

この戦闘は 守る西軍が勝ちました。

しかし 激しい戦いは
11年にわたり続くことになります。

調査で明らかになった
応仁の乱の新しい戦い。

足軽たちによって
都は 戦の炎に包まれたのです。

いや~ 何か 今までの応仁の乱のイメージ
何か 全然違ってましたね。

お城を攻めていくっていう感じでしたね。

あの ほんとに…

まあ あの 城に造られていたという
井楼やぐらなんですが

東軍がですね
10丈という記録があって。

1丈というのが 約3m。
30mなんですね。

いや~ 30m
大体 どれぐらいだい?

大体ですね 今で言うと…

いや それは高いわ!

それを何? そういう ああいうふうに
コツコツ コツコツ建てていったんだね。

しかも その足軽がね…。
そうなんです。

やられてるばっかりではない。

三眼銃って出てきましたけども

何となく その ほら 種子島から来た
あの 何銃だっけ…。

火縄銃ですね。
火縄銃とか そういうイメージがね。

実は 応仁の乱の前の年に書かれた
お坊さんの日記に

「将軍のところで
鉄砲が披露されて

みんな びっくりした」っていう
記述があるぐらいで

これが 三眼銃かも
しれないですよね。

そういった意味では ほんとに…

ねえ? いろんな戦いの様子が
ありましたけど でも…

…と思いますか? 所長。

そうなんですよ。 実はもう…

うわ~! もう そしたら…

そう。 ほんとですねえ。

そして 11年かかって
ようやく 応仁の乱が終わります。

その後 足軽 そして京の人々が
どうなったのか ご覧下さい。

戦いが終わり
都で始まった復興。

疎開していた公家や町の人たちも
徐々に戻り

活気を取り戻していきます。

ところで 都を荒らし尽くした
足軽たちは

このころ
どこで 何をしていたのでしょうか。

京の南に位置する奈良に

足軽の活動に関する記録が
残されていました。

「東大寺の転害門のあたりに
足軽が押し入った」。

足軽が 奈良中心部で
略奪を行っていたというのです。

乱が終わり
都での戦はなくなりましたが

戦いの火の手は 各地に広がります。

特に 奈良や大坂では戦が頻発。

足軽がいなくなった隙をついて
町の復興を進める 都の人たち。

しかし それも つかの間…。

ヒャッハー!
やっちまえ~!

足軽たちが
戻ってきたのです。

戻った! あら~!

焼け焼け~!

都を 再び破壊しかねない
足軽たち。

人々は どのように
対抗したのでしょうか。

ちょっと 広い通りに出てきました。
これが 智恵光院通と…。

智恵光院通。

京都の上京をですね 南北に貫く
通りの一つなんですけども。

実は ここに そのカギとなるものが
造られていたといいます。

それは 巨大な堀。

幅6m 深さ3mに及びます。

掘る時に出た土で 土塁を造り
その上に 塀まで築きました。

これこそが 足軽から…

当時 まだ都には

応仁の乱で造られた堀が

あちこちに残っていました。

京の人々は これらの堀をつなぎ

町全体を取り囲む
長大な防壁を造り上げます。

これが…

(山田)…というふうに
考えているんですけども。

町を守る惣構は

後に 小田原城や
大坂城などで造られますが

京の惣構は
それを 100年も先駆けるものでした。

足軽の攻撃を寄せつけない
惣構の誕生によって

京の都は 新たな変化を遂げていきます。

応仁の乱の時
西軍が陣を構えた…

あっ のれんが見えますけれども…。

京都を代表する伝統工芸…

失礼します。

あっ ここで 織ってらっしゃるんですね。
(山田)すばらしいですね。

職人の方が。

帯を…。

…と言われています。

恐怖と混乱の時代を乗り越えた 京の都。

次の時代へ続く
繁栄の礎が築かれたのです。

もう 当たり前のように
西陣織 西陣織って言ってるけど

この 応仁の乱の時の
西軍の陣っていう 西陣っていうね。

だから…

で 西陣織だけではなくて…

はぁ~ なるほど。

ところで 1つ気になるのは…

それがですね
ちょっとした史料がありまして

こちら ご覧下さい。

「足軽段別」とありますが

これ 河内国
現在の大阪府で

全国で先駆けて
始まった制度で…

いや そらそうですよ。
やっぱり 給料あげないから…。

略奪 許したら もう全部
無秩序になっちゃいますよねえ。

ですから…

そういった意味では
まあ いい面もあったわけですね。

う~ん なるほど なるほど。
そして 所長…

この人物ですよ。 ジャン!

おっと出た。 織田信長ですね。

そうでございます。
信長が この足軽 重宝したんですよね。

そうですね。 やっぱり…

そういったですね…

なるほどね~。

やるじゃないか 「ひでぶっ!」。

「ひでぶっ!」になっちゃいましたけどね
足軽が。

今まで 僕が思っていた足軽って
やっぱり 足軽って名前がさ 軽いからさ。

確かに 確かに。
ちょっと何か 存在が
私の中で大きくなりました。

もう 私は
この探偵事務所の足軽大将として

今後も頑張っていきますので。
そんなこと 誰も思ってませんよ。

ほんとですか?
そんなねえ 大将なんて

あなた 自分を よく言いすぎだ それ。
そこですか!

足軽の一兵卒として頑張る。

ちゃんと 給料 下さいよ。
ああ そうだ!

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