出典:EPGの番組情報
NHK地域局発 あおもり深世界「日本海溝地震・巨大津波~あなたの町は大丈夫?」[字]
日本海溝地震という言葉を聞いたことありますか?太平洋沖を震源とする大地震で想定されたのは、青森県の太平洋岸、陸奥湾を襲う巨大津波。命をどう守るか、考えます。
番組内容
「日本海溝地震」という言葉、聞いたことありますか?国は、去年新たに、太平洋沖の日本海溝を震源とした巨大地震と津波の想定を公表しました。そこで明らかになったのは、東日本大震災をはるかに上回る巨大津波。八戸市では、最大26.1m、陸奥湾沿いの青森市やむつ市でも浸水域が5~6倍になるといいます。どうしたら命を守れるのか、巨大津波を可視化する最新技術を使いRINGOMUSUMEと一緒に考えます。
出演者
【出演】ジョナゴールド,高市佳明,【語り】南山吉弘ジャンル :
ニュース/報道 – ローカル・地域
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解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)
あなたの暮らす町が
津波に襲われるかもしれないって
考えたことありますか?
最新の浸水想定を
CGで映し出してみると…。
海沿いに立つアスパムは
およそ3メートル。
1階が水没します。
ねぶた小屋も…。
このとおり。
(2人)え~。
うん。
去年 国は
太平洋沖の日本海溝で
地震が起きた際の
津波の想定を公表。
青森では
これまで想定されなかった場所にも
津波が押し寄せることが
明らかになったのです。
拡大した浸水域。
どう避難するのか 県内各地で
急ピッチで検討が進められています。
後ろ 車あるからね。
迫りくる巨大津波の脅威から
命を守るための方法を考えます。
♬~
「発見! あおもり深世界」 今回は
日本海溝地震の津波について
お伝えしていきます。
10年前に起きた東日本大震災。
その震源域の周辺領域で
巨大な津波を伴う
最大クラスの地震が
起こる可能性があるという
国の想定が去年の4月に公表されました。
Jさんはこれ ご存じだったでしょうか。
まあ ニュースとかで
何となくは知ってたんですけども
あまり詳しくは まだ分からないですね。
あ そうですか これを機会にね
是非 知って頂きたいと思いますが
もう少し詳しく見てみましょうか。
日本海溝 ご存じのとおり
太平洋側にありますが
ここを震源にマグニチュード9.1という
最大クラスの地震が起きて
それに伴う津波の浸水想定なんです。
これが まあ我々のこれまでの常識 認識を
大きく覆すものでした。
そうですね。
これ今 太平洋側ってことですけども
これ例えば八戸とかは
どのぐらいの津波が来るんでしょう。
ご覧頂きましょうか。
八戸市で
最大26.1mの津波の想定。
これ建物でいうとマンションの
8階から9階ぐらいの高さです。
え~。 すごい大きいですよね。
そうなんです。 怖いですね。
ねえ。
到達時間が30分から40分。
以前の想定より
早くなった所もあります。
う~ん。 すごい何か 今までの常識とは
また違った 新しい想定ですよね。
そうなんですよ。
更にですね 浸水エリアが
大きく広がったっていうのが
今回の想定のポイントでして
例えば陸奥湾。
ご存じのとおり
内海ですけれども
沿岸にある青森市や むつ市は
5.4mという設定です。
う~ん。
まあ これまで
想定されていなかったエリアまで
浸水することになるということで
今 県内各地で対応が迫られているという
現実があるんですね。
何かこう今までは陸奥湾に津波が来るって
イメージがなかったと思うんですけど
やっぱり これを機に
自分の場所は安全だっていう意識も
変えていかないといけないですよね。
認識もね 変える必要がありますよね。
今 津波 何メートルと言い方
私しましたけれども
より具体的に その怖さを
イメージして頂くために
こういうものを用意しました。
名付けて「ディザスタースコープ」という
これ 防災教育のために開発された
アプリが入った端末です。
この端末で今いる場所が どれぐらい
浸水するかということをですね
ご覧のように
CGで可視化することができるんです。
すごいですね。
例えば今 我々がいる
NHK青森のスタジオを見てみますと
Jさんの足がもう水に入ってますし
どれぐらいまで水くるかな はい!
うわ! え! こんなに?
はい モニターで確認 ご覧下さい。
すごいですね。
ねえ。 もうこれ たぶん
私は もう逃げられないですね。
自力 1人の力だけじゃ。
ですよね。
NHK青森 海から直線距離で
およそ1キロ余り離れてますが
ここで およそ2メートルの浸水想定です。
え~ もう すっぽりですもんね 私の体も。
ね。
動けない。
やっぱり可視化すると分かりますよね
より具体的にね。 怖いですね。
ということで今回番組では
このディザスタースコープを使ってですね
県内各地の浸水を調べてみました。
まず やって来たのは
青森駅前の商店街。
浸水想定に合わせて
津波を映し出すと…。
およそ3メートル。
車や歩いてる人は
完全に沈んでしまいました。
♬~
下北半島の北東で
巨大地震が発生した場合
津波は津軽海峡を通り
陸奥湾まで
入り込んでくるとされています。
これまで浸水域ではなかった
青森市役所では1.4メートルの津波が。
青森市の浸水域は
6倍に拡大します。
こちらは津波の力を検証した実験映像。
波の高さは僅か32cmです。
しかし 足元をすくわれ
流されてしまいました。
国の分析では
津波が1メートルを超えると
ほとんどの人が
命を落とすとされています。
想定される震源に より近い八戸市。
東日本大震災では6メートル以上の津波が
押し寄せたと見られていますが
今回の想定では…。
東日本大震災の
4倍を超える高さです。
避難場所にも津波が来る可能性が
浮かび上がりました。
白銀地区です。
東日本大震災では
地区の多くが浸水しました。
当時を知る
自主防災会の方と向かったのは…。
高台にある神社。
ここに300人ほどが
避難したといいます。
自主防災会では震災後
毎年ここを一時避難所として
訓練を続けてきました。
更に毛布を用意するなどの備えも。
しかし神社があるのは海抜17メートル。
想定された津波では
避難所の2階まで浸水してしまいます。
ほんとに危機感を覚えますよね。
まあ どのぐらいの津波が
来るかっていうのを
前もって みんなが知っておく
必要があるのかなと思いますね。
ほんとにそうですね。
では ここで専門家ゲストを
お招きしています。 ご紹介します。
弘前大学教授の小岩直人さんです。
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
小岩さんは 地理学がご専門で
青森の災害リスクに詳しく
県内で防災教育にも
取り組んでいらっしゃいます。
小岩先生は この新しい津波の想定
っていうのは どうお考えですか?
そうですね 正直言って
こんなに大きいのか
っていうふうに感じました。
ただ あくまで これ最大クラス
今の科学で考えられている
最大クラスの津波が来た場合
ってことだと思いますので
避難を中心にして
しっかり受け止めてですね
避難を中心に防災対策を
しなければいけないと思います。
とにかくリスクを認識して
対策を打っていくっていうことが
大事だと思います。
まずは知ることが大事と
いうことですよね。
実際 この日本海溝地震と
津波っていうのは
どれぐらいの可能性で来ると
言えるんでしょうか。
今回の津波想定をするための
地震があるんですけども
そちらの地震が数百年に1回起こってる
っていうふうに言われています。
そう考えて実は前回の地震から
約400年が経過していて
もしかしたら切迫しているというふうに
言わざるをえないのかもしれません。
まあ この今ちょっと
危険な状況だっていうことを
私も詳しく知らなかったんですけど
皆さん知ってるんですかね。
知ってるものなんでしょうか。
って思いますよね。
今回NHKではですね
八戸市の沿岸地域にお住まいの皆さんに
アンケートを行いました。
画面ご覧頂きましょうか。
そうしましたら
浸水想定を知らないという方が
青い部分 44%いらっしゃって
半数近くの皆さんが
そもそも想定を知らないという実態が
浮かび上がってしまいました。
大変ですよね。 これ もしもの時に
知らなかったじゃ済まされない
事態になりますよね。
そうですよね。
国が去年 公表した
新しい浸水想定はですね
県庁の河川砂防課のホームページから
確認することができます。
もちろん我々NHKもですね
報道機関として
しっかり伝えていかなければならないなと
感じているところです。
では こういったことを
しっかり知ったうえで
どのように避難をすればよいか
これからはね 避難のことについて
考えていこうかと思うんですが
小岩さん これ津波から避難する際
どんなことがポイントになりますか?
はい 津波の避難に関してポイントは
より高く より遠い所へ逃げる
ということだと思います。
まず身近な所に高いビル
あるいは高台があるのかどうか確認して
そこの標高も確認するっていうことが
大事だというふうに思います。
とにかく高い所へ避難するっていうことを
考えて下さい。
またですね 東日本大震災の時には
津波が河川を上流まで遡るっていうことも
問題になりました。
今 画面出てますが。
はい そうですね 北上川…。
ここは馬淵川で
北上川では10キロ以上遡ったんですけど
馬淵川もこちらですね。
川沿いの低い所
馬淵川 新井田川の八戸… に流れる河川の
上の方までですね
津波が押し寄せる可能性がある
というふうなことです。
これ今すぐにでも
確認しないといけないことですよね。
そうですよね。
この新しい浸水想定区域にはですね
高齢者など自分で避難が難しい皆さんを
多く抱える施設もあるわけです。
そうした施設では避難に向けての
不安の声も上がっています。
VTRご覧下さい。
青森市の特別養護老人ホーム。
防災を担当する高橋大治郎さんです。
想定を受けて
新しい避難計画作りに迫られています。
1階では20名の方が。
1階で生活するのは20人。
ほとんどが車椅子を利用し
自力で避難できません。
海から1.2kmの所にある この施設。
今回 新たに浸水域に入り
90分あまりで
津波が到達するとされました。
浸水の想定は およそ2メートル。
1階の ほとんど
そして 2階へ続く階段の中ほどまで
水没します。
施設では 浸水域外への避難が
間に合わないとして
2階への垂直避難を
基本方針にしています。
しかし 地震の際エレベーターは
停電などで
使用できなくなる可能性があります。
そのため避難には
階段を使わざるを得ません。
せ~の。
せ~の。
転落などのリスクも伴うため
2人掛かりで安全確保をしながら
避難させます。
更に高橋さんが
対策の必要を感じているのは
夜間の避難。
夜間のスタッフは2人から3人。
昼間に比べ少ないのです。
新たな津波の想定で
さまざまな課題に直面した高橋さんたち。
限られた時間の中で どう避難するのか
具体的な改善策について
話し合っています。
青森っていうのは
高齢者が多い県でもあるので
こういうところも大変ですよね。
そうですね。
具体的に訓練とか
シミュレーションとか重ねて
また新しく避難方法を考えていかないと
いけないのかなと思いますね。
取り組みをされてましたね。
うん。
同じような不安を抱えてる施設
たくさんあるかと思うんですけれども
小岩さん こうした対策をするうえで
大切なことっていうと
何になるでしょうか。
地震そのもの自体が
突然やって来るので
津波というふうなものも突発的な災害って
非常に対応が難しいと思います。
まずは地震発生から
津波が到達するまでの時間
これを「リードタイム」といいますけども
そのリードタイムの把握が
大切だと思います。
これが避難行動に使える時間になります。
津波が やって来るまでに
避難行動に使える時間
リードタイムというそうですが
改めて では県内各地のですね
その リードタイムどれぐらいあるか
想定されてるかというのを確認しますと
太平洋側で
大体おおむね20から40分。
そして陸奥湾内では
60分から160分と幅があります。
すごく ばらつきがありますよね
地域によってね。
そうですよね。
これ 一方で日本海側?
日本海の方は
これ どうなってるんでしょう。
日本海溝の地震でも
津波が来るんですけども
日本海そのもの
そこを震源にした場合には
非常に津波 早く到達するっていうことで
気をつけなければいけません。
例えば1983年の日本海中部地震の時には
深浦町では7分から8分くらいで津波が
到達したっていうふうにいわれています。
まあ なので10分以内に到達した所も
多かったと思います。
はあ~ 10分以内。 短いんですね
すごく早いですね。
そうですね。 時間を有効的に使わないと
間に合わないですよね。
そうですね。
そして もしものための その高台などを
日頃から把握しておくことも
大切になってきますよね。 そうですね。
今回の想定ではですね
避難のために その重要なリードタイムが
短くなってしまった所も数多くあります。
より早く 来ることになった津波に
どう備えるのか
太平洋側の三沢市にある
学校の取り組みを取材しました。
ここでは 毎月1回
防災学習を行っています。
校舎は海から800メートルの所にあります。
津波の危険と隣り合わせです。
今回の想定で大きく変わったのは
津波の到達時間。
45分から 15分短くなり
30分とされたのです。
これまでの訓練では
避難に平均25分かかっていました。
どれだけ避難の時間を短くできるかが
生徒の命を左右します。
この日 見直した避難計画に沿って
訓練が行われました。
(ベル音)
訓練開始。
(校内放送)「強い揺れに警戒して下さい」。
1分でも避難時間を短くするため
いくつかの工夫を取り入れました。
よく見ると
上履きのまま 外へ出ていきます。
靴の履き替えで人の流れが滞るのを
避けるためなんです。
2 4 6 8 10。
更に人数確認も 今まで全校生徒が
そろってから行っていたのを
学年ごとに変えました。
13人。
点呼が終わったら
すぐに学校の外へ避難します。
いいよ どんどん行って。
ここまで6分。
以前の訓練と比べて3分早くなりました。
目標は浸水想定区域の外に出ること。
その距離 およそ1キロメートルです。
道路を横断する場所も減らし
スムーズな避難につなげます。
後ろ 車あるからね。
そして訓練開始から18分。
これまでよりも7分早く
全員 安全とされる場所まで
たどりつきました。
計4名欠席で…
いや みんな真剣にやってて
ほんと すごいですよね。
でしたね。
もう全部の学校で
取り組むべきだと思います。
そうかもしれない。
ね 月1回でもやってると
意識の持ち方変わりますしね。
そうですね。
小岩さん こういう学校の取り組み
取り組む上で
次の重要なポイントがあるそうですね。
はい 今 注目されてるのが
学校と地域の連携なんですね。
学校と地域の連携。
青森県でも取り組みが
始まってるんですけども
三沢市立第三中学校も
地域と一緒に防災訓練を行うなど
連携を進めています。
どうして今この連携っていうのが
注目されてるんですか?
ポイントは防災意識を子どもから大人へ
ということだと思います。
今 防災教育って
ものすごく進歩してるんですけども
それを習った子どもたちが
授業でですね 習ったことを
家庭で ご両親と考えたりとか
地域の人と話し合うってことで
防災意識または知識が広がる
っていうふうなことだと思います。
また地域のことをよく知っている人たちは
やっぱり地域の人ですから
そういう人たちが
子どもたちに教えるっていうことで
お互い相互関係が成り立って
地域の防災力が高まる
っていうことだと思います。
あとは学校の先生は
どうしても転勤がありますので。
そうですね。 地域のことをちゃんと知る
っていうことは
やはり地域の人と
連携しなきゃいけないんだと思います。
なるほど~ 地域全体で防災の輪を
広げていくっていうことですよね。
そういうことになるんですね。
また地域と学校の相互関係で
どんどん何か意識が
全体で高まっていくような
未来も見えそうですね。
そうですね。
ということで今日は日本海溝地震と
それに伴う津波について
ここまで見てきましたが
Jさん いかがだったでしょうか。
いや~ こう新しい想定を初めて
ちゃんと私も目にしたんですけど
これまでの常識では
全く違ったものだったので
改めて自分の知識っていうのを
作り直していかないといけないんだろうな
ということを感じましたね。
そうですね。 44%の皆さんが
まだ想定をご存じないという結果もね
今日 紹介しましたけれども
ちゃんと知ってほしいですね まずはね。
そうですね。
まずは知るところからだと思うのでね
これをきっかけに
知って頂けたらなと思います。
ね 我々も何か意識が高まりました。
小岩さんは いかがだったでしょうか。
はい 青森県っていう所は海とか山とか
火山 いっぱいあって
自然の恩恵を楽しむことができる県だと
いうふうに思います。 そうですね。
ただ裏を返せば
あらゆる災害も隣合わせであって
まさに表裏一体っていうふうなことだと
思うんですけども
今回の津波の想定のようなものでですね
自分の住む地域の
あるいは生活する地域の
リスクをちゃんと知って
理解しておくっていうことが大事で
自分の場所をちゃんと正確に捉える
そういうことが あらゆる災害に対して
対策ができる力をつけるんではないか
というふうに思っております。
青森県は自然に恵まれてますけれどもね
その分 リスクとも表裏一体って
今お話がありました。
しっかりと知っていれば
備え方も分かるわけですよね。
そうですね。
ふだん楽しみながら
いざという時は逃げるっていうことだって
いうふうに思います。
ということで今日は日本海溝地震と
それに伴う津波について見てきました。
小岩さん Jさん
今日は どうもありがとうございました。
ありがとうございました。
ありがとうございました。
皆さんも 明日からしっかりと
自分事として備えて頂きたいと思います。
では 失礼します。
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