出典:EPGの番組情報
美の壺「光と風の物語 窓」[字]
さまざま物語が生まれる窓。造園家の巨大な窓から、フランク・ロイド・ライトや現代建築のデザイン、祈りの場に用いられる丸窓、茶室の美意識まで、窓の世界へご案内!
詳細情報
番組内容
「テーマはアリの生活」という造園家・齊藤太一さんの巨大な窓には、50種類の植物による圧巻の光景!▽吉村順三が軽井沢に設計した、自然を愛でる広い窓▽巨匠フランク・ロイド・ライトの美意識が詰まった、さまざまな窓のデザイン▽まるで宇宙船?!「ふきだし」をモチーフにした図書館の窓▽ローマのパンテオンから鎌倉の寺まで…「丸窓」の魅力とは?!▽武者小路千家・千宗屋さんが語る茶室の窓の役割<File548>
出演者
【出演】草刈正雄,横山歩,武者小路千家家元後嗣…千宗屋,造園家…齊藤太一,建築家…比嘉武彦,建築史家…五十嵐太郎,【語り】木村多江ジャンル :
趣味/教育 – 音楽・美術・工芸
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
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解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)
♬~
草刈さん それ どうしたんですか?
鳥かご?
実はね 今朝 かわいがってた
インコのピーちゃんが
窓から逃げちゃったんですよ。
(鳴き声)
≪ギュリギュリ。
あれ?
君 どこから来たの? 1人?
ギュリギュリ。 (鳴き声)
えっ 何て?
光や風を誘い込み
家の中と外をつなぐ「窓」。
窓辺には 人が自然と集まり
さまざまな物語が生まれます。
こちらは 思わず中をのぞき込みたくなる
印象的な形の窓。
近代建築の巨匠
フランク・ロイド・ライトは
趣向を凝らした さまざまなデザインの
窓を住宅に取り入れました。
洋の東西を問わず
祈りの場を象徴的に照らす円い窓。
茶室の窓は光を調整することで
「陰」から「陽」へと
茶事の流れを演出します。
それぞれの窓が彩る 豊かな空間。
今日は めくるめく窓の世界へ
ご案内します。
東京・世田谷区の住宅地に建つ一軒家。
中に入ると うっそうとした木々が
迫り来る大迫力の景色。
高さ3.5メートル リビング一面に広がる
巨大な窓が この家の主役です。
この家のあるじは
造園家 齊藤太一さんです。
建築家 田根 剛さんと試行錯誤して
この窓を設計しました。
家の床部分は 地面より1メートルほど
掘り下げられています。
そのため 目線が地面に近くなる構造に
なっているのです。
地面を歩くアリや 木をはう虫
頭上で鳴く鳥。
「森の中で自然の姿を見上げるような
体験をしたい」と
窓のデザインと造園に時間をかけました。
従来の住宅街のような 隣との距離
東京ですと
本当 2メートルとか 3メートルとか
そんなことなわけなんですけど
その中で自然を作ると。
庭じゃないんですよね。
自然を作るという。
新しい自然で「新自然」って
僕は呼んでるんですけど。
建物の外の敷地は 幅2メートルほど。
周辺地域に もともと生息する植物を調べ
それらと相性のいい種を加えた
合計50種類以上の植物を植え込みました。
造園家が理想を追求して生み出した
一面の緑。
自然の迫力が 窓から あふれ出ています。
…と僕は思います。
今日 最初のツボは…
閑静な別荘地の中に
ひときわ目を引く山荘があります。
全長35メートルの2階建て。
細長い建物が庭を
「く」の字型に囲っています。
中に入ると 横に長くのびる窓。
居間から庭全体を一望でき
気持ちのいい空間が広がります。
この家を建てたのは洋画家 脇田 和。
交流があった戦後を代表する建築家
吉村順三に設計を依頼しました。
脇田の要望は「絵のモチーフとなる
動植物を観察したい」ということ。
吉村順三が出した答えの一つが こちら。
屋根から のびる軒の長さを
景色に合わせて緻密に計算しました。
当時 窓の向こうは一面の森。
軒は森へ向けた 画家のまなざしを
作ってくれました。
この別荘の現在のオーナーは
息子の脇田 智さんです。
父は鳥を描くので
鳥を飼ったりなんかしてまして
そういう中で生活してましたので
鳥が時々 外に飛び出したりしても
大きな窓がありますから 結構
そういうところに
鳥が行ったりなんかして。
「あ~ きれい きれい」なんて言って
逆に喜んじゃったりなんか。
建物は当初 コブシの木を囲うように
建てられていました。
「窓から木に止まる鳥が
よく見えるように」という
吉村の心遣いが感じられます。
父の絵の中にも窓があったり
大体 鳥が窓から のぞいてるとか。
自分の頭の中に 想像の窓も
あったりすると思いますけれども
絵そのものが窓ですよね。
さらに 窓は雨戸や障子はもちろん
ガラス戸まで 全て戸袋に収まるよう設計。
全開にすると 外と中の境界を
感じさせない開放感が生まれます。
鳥と自然を愛した画家の窓に
今日も心地のいい風が吹き込みます。
散歩中なの?
いつも窓の外を見ながら
たまには思いっきり空を飛びたいなって
思ってたんです。
空 飛びたいって…
君 鳥みたいなこと言うね。
で 今朝 窓が開いてたから
飛び出してみたんですけどね。
で それで どうしたの? え?
近代建築の巨匠 フランク・ロイド・ライト。
ライトのこだわりが詰まった窓を
見られる場所があります。
大正13年 兵庫県芦屋市に建てられた
こちらの建物。
建築当初の姿で残る 国内唯一の
ライトによる住居建築です。
こちらは2階の応接室。
窓が多く 曇りの日でも明るい印象です。
さまざまな窓に囲まれた この部屋で
独特の存在感を放っているのが
天井近くに ずらりと並んだ小窓。
ここの建物 各部屋 天井照明が
ないんですね。
そのために この小窓によって
光と風を取り入れるために
この窓が付いてると思われます。
ライトは 伝統的な日本家屋の「欄間」から
ヒントを得て
小窓を設計したと考えられています。
建物の外から見ると
一つ一つの小窓には
砕いた大谷石と砂 セメントを
素材とした飾り石が施され
ライトが当時 影響を受けていた
マヤ文明の遺跡のような雰囲気が
漂っています。
通気や採光といった機能だけでなく
窓に さまざまなデザインを施したライト。
4階の食堂には 三角形に見える天窓が。
でも よく見ると
窓自体の形は四角いのです。
館内の天井は皆 平らなのですが
食堂だけ唯一 三角の面で構成。
天井に合わせ デザインされた窓が
教会のような厳かな雰囲気を
演出しています。
さらに3階の廊下に並ぶ窓は
自然に溶け込んだ建築を理想とした
ライトのこだわりを感じさせます。
窓ガラスの板に装飾された銅板は
植物の葉をモチーフとしたもの。
表面は植物に似せるため あえて
緑色のさび 緑青を発生させています。
西日が さし込むと
まるで木漏れ日を受けたよう。
この窓から見える景色 緑とか
そういうものと 光と風。
自然を取り込むというイメージが
あるんじゃないかなと思うんです。
自然や環境と溶け込む「有機的建築」の
理念に貫かれたライトの窓。
今日 二つ目のツボは…
東京・武蔵野市。
ここに思わず のぞき込みたくなる
不思議な形の窓があります。
何だか 潜水艦みたい。
いや 宇宙船?
実は ここ 図書館などが入る
公共施設なんです。
窓に誘われて 館内に入ってみると…。
ぽっかりと丸く くりぬかれたような
空間が いくつも連なっています。
それぞれの空間を仕切る壁はありません。
あるのは 楕円形の穴。
設計者の一人 比嘉武彦さんです。
中と… 外の窓の形と 中の部屋の形とが
お互いに共鳴し合っている。
もう一つ この窓は あるものをモデルに
デザインされています。
吹き出しです。
それぞれの思いが プカプカ浮かんでる。
人が語り合い 人に語りかける窓。
少し足を止めて
窓の声を感じ取りたくなります。
窓の外の現実は
思ってたのと違ったんです。
カラスには つつかれるし。
風は強くて 飛ぶのは しんどいし。
日ざしは厳しいし…。
窓は 夢を見せてたんだね。
だから もういいかなって思ったんだ。
あ~ そうだったの。
うん。
あの子は初めて会った気が全然しないな。
世界中の窓の研究を行っている
建築史家 五十嵐太郎さんです。
特別な意味を持つ
「窓の形」があるといいます。
象徴的な円形の窓を持つ建築は
世界各地にあります。
あまねく神々が祭られた
古代ローマの神殿 パンテオン。
ドームの頂点に開いているのは
直径9メートルの完全な円の窓。
それが太陽の動きとともに 光の場所が
変化していくっていうのは
本当 建物の中で
天体というか星が動いてるような
そういう すごいコスモロジーを
感じさせるので 結果的には…
この天に開いた「目」は 2, 000年近く
人々を見守るように
光を降り注いできました。
日本でも寺社などで
円窓は多く作られてきました。
こちらは鎌倉にある 明月院です。
本堂にある「悟りの窓」。
この窓は 悟りや真理 大宇宙などを
象徴的に表現したと言われています。
円く切り取られた 庭の景色。
情報が そぎ落とされた円の中の光景は
見る人に深い集中をもたらします。
人を悟りの境地へと導くといわれる
円い窓です。
今日 最後のツボは…
茶道 武者小路千家の千 宗屋さん。
窓は茶室にとって
重要な役割があるといいます。
こちらは千さんが かつて
しつらえた茶室「重窓」。
東京タワーが見渡せる
都心のマンションの一室です。
で 最後に その窓を 障子を
ガラッと開けるとですね
外の景色が見えて 東京タワーが見えて
はっと それで我に返るといいますか。
そこから また日常に戻っていく。
騒がしい日常から離れ
別世界を生み出す茶室の窓。
窓は茶事の中でも
重要な役割を担っているといいます。
「正午の茶事」と呼ばれる茶会は
4時間ほどにも及びます。
その始まりは 薄明かりの中で。
全ての窓には すだれが掛けられ
明るさが抑えられています。
この暗さの中で
懐石などが ふるまわれます。
物事が はっきり見えなければ
亭主や客たちは こん然一体になれる。
そんな感覚が味わえるのだとか。
前半の懐石を終えると
客は いったん退席します。
ここで亭主は 突き上げ窓を開け
外の空気と光を取り入れます。
床のしつらえは 掛け軸から花に。
客が再び席に着くと 亭主は外へ出て
窓に掛けられた すだれを
一つずつ順番に上げていきます。
薄暗かった室内に 少しずつ満ちていく光。
「陰」から「陽」に 場面が転換されました。
この明るさの中で いわば茶事の本番
亭主のたてた濃茶が ふるまわれるのです。
窓が生み出す 深遠なひととき。
光と陰の彩りです。
(鳴き声)
ピーちゃん!
ピーちゃん 帰ってきてくれたの?
ん? ピーちゃん。
お帰り。 窓の外 どうだった?
ギュリギュリ。
♬~
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